大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和35(オ)1322 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人荒木辰生、同小沢秋二の上告理由一について。

相殺の意思表示は、双方の債務が互に相殺をなすに適した始めにさかのぼつてそ

の効力を生ずることは、民法五〇六条二項の規定するところであるが、この遡及効

は既になされた契約解除の効力には何らの影響を与えるものではないことは、当裁

判所判例の夙に示すところである(昭和三〇年(オ)第三三二号、同三二年三月八

日第二小法廷判決、民集一一巻三号五一三頁)。これと同趣旨に出でた原判決は正

当であり、所論は採るを得ない。

同二について。

法律解釈の根拠、理由の説明は、必ずしも判決に示す必要はないものであるから、

これを欠いていたからといつて、所論の違法は認められない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 高 木 常 七

裁判官 斎 藤 朔 郎

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